■ 受動態って、いつ使うの?
海外の語学学校で英文法を習った際、「受動態を使うのはなるべく避けなさい」と習いました。
と、いうのも、そもそも英語には KISS (Keep It Short and Simple「表現する際、なるべく短く簡潔にする」)というルールがあるためです。
受動態は「O(目的語)を文頭に出す」に出す、という作業です。
例えば…
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◇ Tom broke the window.「トムはその窓を割った」
◆ The window was broken by Tom.「その窓はトムによって割られた」
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Oを文頭に出すことによって、どうしても、文が長くなってしまいます。
前述、KISS のルールに反します。
それでも受動態にする理由は、S(主語)を隠すためです。
◇ Tom broke the window.「トムはその窓を割った」
と言うと、めっちゃトムを非難しているように聞こえなくもないです。
なので、聞き手の視点を、「トム」ではなく「窓」に移すために、the window をグイッと前に持っていきます。
◆ The window was broken by Tom.「その窓はトムによって割られた」
これが受動態です。むしろ、トムを隠してあげるのが受動態の目的なので、最後の by Tom さえ要らないです。
なんとなく必ず by ~って付けるイメージがあるかも知れませんが、付けなくて大丈夫です。
さて、受動態を使う理由が他にもあるかなと思い、いつもお世話になっているイギリス人の先生と、その点について話しました。
すると、とても分かりやすいサイトを教えていただきました。
・Perfect English Grammar “The Passive Voice”
このサイトによれば、passive voice(受動態)を使う理由は 6パターンあるそうです。
1.『焦点を変えるため』 (先ほどの[トムと窓]のように)
2.『誰がそれをやったかわからない、または、分かりきっている』 (例えば「車が盗まれた(犯人不明)」「彼は逮捕された(逮捕したのは警察←明白)」)
3.『事実や科学的な記述』 (大事なのは行為者ではなくその事実だから)
4.『フォーマルな文章で行為者を明示するのを避けるため』
5.『文章の最後でさらに情報を付け加える際』 (例えば「その本は○○氏によって書かれた」)
6.『主語が長いため』
ご興味ある際、ぜひ上記サイトをご覧ください。
本日もありがとうございます。
どうぞ良い一日をお過ごしください。