コンセプト・クリープ 概念の漸動(ぜんどう)

コンセプト・クリープ

という心理学用語
があるそうです。

 

英語では
concept creep
と書きます。

 

・concept
(概念)

・creep
(這〈は〉う)
(ゆっくり動く)

 

日本語では
概念の漸動(ぜんどう)
と言います。

 

つまり、
ある概念の定義が
少しずつズレ始めていく
ということです。

 

ある概念の定義が
意味的に広がり、

本来その範囲に
含まれない内容まで

含まれるようになること
なのです。

 


 

ある難関私大の長文で、
「コンセプト・クリープ」
という言葉を使わずに、
このことを表す内容が
出題されていました。

 

その中で、
以下の様な主旨を
論じていました。

 


ある人が
ある重大な問題を
解決しようと
努力していたとする。

 

その重大な問題の
発生件数が減る。

 

すると、
問題の定義を広げ、
より軽微な問題をも
解決しようとする。

 

なぜなら、脳が
絶対的な基準を使わず
相対的に判断を
するからである。

 

(例えば、
白いお米が器に入っていた。


そこに混じった
黒い粒をつまんで
器の外に、出していた。


黒い粒が
少なくなってきたので、
比較的、色の近い灰色の粒も
つまみ出そうとする。

 

なぜなら
「黒い粒を出す」
と絶対的基準を持って
意思決定をしているのでなく、

 

「全体的に見て
黒に近い粒を出す」
と比較論で
考えているから)

 


 

絶対的な基準を持たず、
相対的な基準で
問題解決をすると、
コンセプト・クリープが
発生しやすいかも
知れません。

 

もし、
上記で言う「問題」が、
社会全体として抱えている問題
だとしたら、どうでしょうか?

 

コンセプト・クリープにより、
社会全体が
その特定の問題に敏感になり、

その特定の問題への認識を高めます。

 

ですが、同時に、
概念の明確さや特異性を
失わせる可能性があります。

 

例えば、
重大な社会的問題と
軽微な社会的問題を

 

同じ「問題」という
カテゴリーで扱うことで、
両者の区別を曖昧にしてしまう
危険性をはらんでいます。

 

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